市況レポートVol.355
2026.10.08
10月の切り花入荷情報 長雨・台風の影響で入荷減少傾向に。秋の需要期を迎え、早めの商品確保を 長雨と台風の影響で産地に被害、今後の出荷にも懸念
9月から続く長雨や台風の影響により、各産地では生育不良や品質面への影響が懸念され、切り花の入荷は減少傾向にあります。
特に千葉県では、8月から9月にかけて度重なる台風被害に見舞われ、露地栽培の花材が倒伏したり、茎に曲がりが生じるなどの被害が発生しています。
一部の産地ではカーネーションやヒマワリが浸水被害を受けたほか、スナップやストックでは播種した種が流される被害も報告されており、年末年始に向けた出荷への影響が懸念されています。また、草花類やユリについても株の状態が心配され、今後の生育や出荷動向には注意が必要です。
秋の需要期を迎えるなか、天候不順による入荷量の変動が予想されるため、必要な花材は早めの手配をおすすめいたします。
お彼岸需要は天候に左右されるも、お月見商材は堅調
今年の秋のお彼岸は、シルバーウィークや敬老の日、お月見などの行事が重なり、需要の盛り上がりが期待されていました。
9月18日・19日には台風を警戒した前倒しの購買が見られ、一部の小売店では行列ができるなど活発な動きもありました。しかし、その後も雨模様が続いたことで、彼岸期間全体としては厳しい販売結果となりました。大手量販店向けの仏花についても、発注数量の下方修正が続くなど、需要面では慎重な動きが見られました。
一方、お月見関連の花材は好調で、ススキや黄色のピンポンマム、ワレモコウ、ケイトウなどに強い引き合いがあり、季節感を演出する花材への需要の高さがうかがえました。
秋のブライダル需要で一部品目は品薄傾向
秋のブライダルシーズンを迎え、業務需要を中心に一部の花材で需給が逼迫しています。
カラー、ダリア、バラ、デルフィニウム、アンスリウムなどは引き合いが強く、品薄傾向が見られます。特に色や品種の指定がある商品については、希望数量の確保が難しくなることも考えられます。
一方、山形県産のストックでは開花が前進する動きも見られるなど、品目や産地によって生育状況にはばらつきがあります。
今後も天候による入荷変動が予想されるため、ブライダルやイベントなど使用日が決まっている花材については、早めのご注文と代替品種の検討をおすすめします。
10月は秋の草花・実物・紅葉枝物に注目
10月に入り、店頭ではハロウィンや秋の装飾需要が本格化します。
コスモスは10月前半に出荷のピークを迎える見通しで、秋らしい季節感を演出する花材として注目です。
また、野バラの実やフォックスフェイス、花ナス、トウガラシなどの実物類、紅葉枝物、アマランサスなどもおすすめです。
秋の草花に実物や紅葉した葉物を組み合わせることで、花束やアレンジメントに季節感と立体感を演出できます。ハロウィンから晩秋にかけて、店頭ディスプレーやギフト、装飾需要への提案に活用したいところです。
今月のおすすめ花材
コットンツリー(イスラエル産):白・茶ともに今後大幅な値上がりが見込まれています。日持ちがよいため、早めの確保がおすすめです。
秋の実物類:野バラの実、センセーション、ファンタジー、フォックスフェイス、花ナス、トウガラシなど。
アマランサス:グリーンロザリー、レッドロザリー、ミラー(グリーン×レッド)。個性的な花姿で秋のアレンジメントのアクセントに。
秋の草花・葉物:ニューレンベルギア、グリーンミスト(シード)、各種紅葉物など。ナチュラルな秋の花あしらいにおすすめです。
季節の変わり目に、花と緑で心と身体にやすらぎを
厳しい夏の暑さから秋へと移り変わるこの季節。朝晩の寒暖差や気圧の変化により、自律神経のバランスが乱れ、疲労感や睡眠の不調などを感じやすい時期でもあります。
自律神経を健やかに保つためには、バランスのよい食事や十分な睡眠、ゆっくりとした深い呼吸など、日々の生活習慣が大切とされています。
こうしたなか、改めて注目したいのが、暮らしの中に花や緑を取り入れることです。
生花を眺めたり、植物に触れたりすることで、緊張が和らぎ、リラックスにつながる可能性が研究でも示されています。
忙しい日常のなか、ふと花に目を向け、その美しさを楽しみながらゆっくりと深呼吸する。そんな何気ないひとときが、心身をいたわるきっかけになるのではないでしょうか。
花は特別な日の贈り物だけではありません。ダイニングテーブルに季節の草花を一輪、リビングに小さな花束や観葉植物を飾るだけでも、暮らしの雰囲気は変わります。
季節の変わり目だからこそ、花店の皆様には、秋の草花やグリーンを使った気軽に飾れる商品を、「花と緑のある、心地よい暮らし」という切り口で提案していただきたいと思います。
「季節の変わり目に、花と深呼吸。暮らしに一輪、心にゆとりを。」
花を飾る習慣が、日々の暮らしに小さなやすらぎをもたらしてくれるかもしれません。
フローラルジャパンからのご提案
長引く天候不順によって生産現場への影響が広がる一方、秋のブライダルやハロウィン、年末に向けた需要が徐々に高まる時期となりました。
今後は品目によって入荷量や価格にばらつきが生じる可能性があり、仕入れのタイミングが一層重要になります。
必要数量が決まっている花材は早めにご予約いただくとともに、日々の店頭販売では入荷状況や相場に応じた小口仕入れを活用することで、在庫ロスを抑えた効率的な販売につながります。
また、特定の品種や色にこだわりすぎず、その時々の入荷状況に合わせて旬の草花や実物を取り入れることも、仕入れコストを抑えながら季節感のある商品を提案する一つの方法です。
物価上昇によって消費者の節約志向が強まる今だからこそ、花の持つ美しさや季節感だけでなく、心にやすらぎをもたらす価値にも目を向けたいところです。
特別な日の贈り物から、毎日の暮らしを豊かにする身近な存在へ。花を飾ることが日常の習慣として広がっていくことが、これからの花き消費の拡大にもつながるのではないでしょうか。
フローラルジャパンでは、今後も産地の出荷状況や市場動向を見極めながら、季節のおすすめ花材とともに、花と緑のある豊かな暮らしをご提案してまいります。

カテゴリー
年別




