市況レポート Vol.354
2026.09.20
9月の入荷情報と市場動向
9月に入り、市場は全体として落ち着いた動きとなっています。物価上昇による買い控えに加え、長雨や天候不順が店頭販売にも影響し、小売店では在庫を抑えた慎重な仕入れが続いています。
一方、産地でも低温や降雨によって生育・開花が鈍り、入荷が伸び悩んでいます。需要・供給ともに勢いを欠くなか、相場は大きく上がることも、下がることもなく推移しています。ただし、品薄の品種には注文が集中し、追加のご要望に応えきれない場面も出ています。
これからは敬老の日、お彼岸、お月見に加え、秋のブライダル需要が重なる時期です。足元の販売が穏やかでも、物日前には必要な花材の引き合いが一気に強まる可能性があります。品種や色、数量が決まっているお客様は、早めのご相談・ご注文をお願いいたします。
主な花材の入荷見通し
菊・小菊は入荷が増える見込みですが、お彼岸に向けた需要も強まり、単価は上昇が予想されます。スプレーマムは国産・輸入ともに増加する見通しです。ただし、産地によって開花の遅れもあり、必要な時期に十分な数量が揃うか注意が必要です。
バラ、カーネーションも入荷増が見込まれ、カーネーションは需要期に向けて単価が上がる見通しです。トルコギキョウは少なめ、ユリとアルストロメリアは微増、カスミソウ・デルフィニウム・スターチスは横ばいの見込みとなっています。
ブライダル向けには白系の洋花やチョコレートコスモスなどの引き合いが強まっています。また、千葉・長野の大雨により、コスモスやアマランサスなどに影響が出ており、秋の草花も余裕を持った手配がおすすめです。
秋の色と季節感を売場に
秋商材への関心が高まり、ボルドーや赤紫など、深みのある色合いが人気を集めています。ヒマワリは地域や時期によって動きに差があるものの、涼しさとともに秋色の花へと需要が移りつつあります。
市場担当者のおすすめは、変わり咲きのコスモス、紫の小花が印象的なベルノニア、オレンジに緑の筋が入るソラナム「トーガ」、やわらかな肌色のダリア「チョメル」、クリームから肌色のフロックス「イザベリーナ」など。定番の花に少量添えるだけでも、季節の変化を感じられる花束やアレンジにつながります。
小売店では、お月見に合わせたススキと秋の花の小さなセットや、敬老の日にそのまま飾っていただけるコンパクトなギフトなど、用途と価格がわかりやすい提案はいかがでしょうか。少ない本数でも花の表情や色合わせを楽しめる商品は、日常に花を取り入れるきっかけにもなります。
ブライダルや生け込みでは、主役となる花材を早めに押さえ、脇役の花は同系色の旬の商材から選ぶなど、仕入れに幅を持たせる方法もおすすめです。品種指定が必要なものと、雰囲気に合わせて代替できるものを事前に整理しておくことで、欠品や予算超過への対応がしやすくなります。
高値の時期こそ必要な花を必要な分だけ
肥料や種苗をはじめとした生産資材の値上がりが続き、生産者にとっても生産継続が厳しい状況となっています。一方、小売店でも、仕入れ価格の上昇を販売価格に反映したいものの、お客様の買い控えが懸念される難しい局面が続いています。
こうした時期こそ、仕入れ単価だけでなく、売れ残りや廃棄を含めた仕入れ全体のコストを考えることが大切です。必要以上の在庫を持たず、販売や受注に合わせて使い切れる量を仕入れることが、鮮度と利益を守ることにつながります。
9月後半は需要の集中により、花材によっては高値での推移が予想されます。確実に必要な花は早めに予約し、店頭販売分や追加分は仲卸の小口仕入れを上手にご活用ください。
ご用途・ご予算・使用日をお知らせいただければ、入荷状況に応じた花材や組み合わせをご提案いたします。秋の大切な需要期に向け、商品確保とロスの少ない仕入れを、ぜひお早めにご相談ください。

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