市況レポートVol.345
2026.02.16
今週は、昨年よりも入荷量が多く、相場は例年並みの水準で推移しました。2月は全体としてブライダル需要がやや少ない傾向ですが、三連休の影響もあり、今週はブライダル向けの引き合いが見られています。一方で、2月8日の雪の影響が大きく、翌9日には相場が急落するなど、市況は不安定さを残しています。
品目別では、バレンタイン需要に関しては「バラ一強」の動きが目立ちました。特に赤バラへの集中が強く、引き合いは堅調です。相場も昨年より高めで、目安として平均単価で146円から160円へ上昇しました。背景には、国内の作付け本数が減少傾向にあり国産品が高止まりしていること、輸入品についても昨年の販売不振に加え円安の影響で入荷量が抑制されていることが挙げられます。加えて、コロンビアの人件費上昇など産地側のコスト増も響いており、輸入バラやカーネーションの入荷は全体に控えめです。さらにユーロ高の影響でオランダ商材が買いづらく、オーダー品中心の動きとなっています。
春の球根花も、オランダ産がユーロ高の影響で単価高。ヒヤシンス、フリチラリア、アスチルベ、ネリネ、アマリリスなど昨対で仕入れコストは以前の1.3〜1.6倍程度まで上がっている印象です。ネリネは白・ピンクがブライダル用途として動きがあり、600〜700円の価格帯で予約品のみとなっています。
先行きについては、気温の上昇により来週以降は草花類の入荷が増えてくる見通しです。輪菊、バラを含めて全体としては横ばい基調が予想されますが、2月は花保ちが良く引き合いは弱めの状況が続いており、雪の影響も重なって相場の回復には時間を要する可能性があります。なおバレンタイン前日の13日(金)は活況となり、局所的に相場が動く場面も見られました。
今後の需要材料としては、バレンタインに続き、桃の節句、ブライダル、三連休のイベント需要、月末需要、さらにミモザの日や卒業式などが控えています。需要イベントは続くため、店頭提案・用途提案の作り方次第で動かしやすい局面です。
全体に前進傾向です。菜の花は千葉産の動きに加え、和歌山は3月2日以降の出荷便が無くなる予定との情報もあり、必要数量の見込みが立つ場合は早めの手当てをおすすめします。
生活者の健康志向が強まるなかで、近年は「飲む・食べる」といった“摂取”を伴う嗜好品よりも、暮らしの中で気分や空間を整える“非摂取型の楽しみ”が選ばれやすくなっています。たとえば、花やグリーンを一輪飾って視界に入る景色を変える、照明を間接光にして部屋の雰囲気を落ち着かせる、アロマやお香で香りのスイッチを入れる、自然音や静かなBGMでリラックス時間をつくる、入浴や肌触りの良いルームウェアで身体の緊張をほどく、といった「生活の整え方」がその代表例です。こうした“足して整える”習慣は、我慢や制限よりも続けやすく、罪悪感が少ない点でも支持されやすい傾向があります。花はその入口として取り入れやすく、飾るだけで空間の印象が変わり、帰宅後の切り替えや就寝前のひと息といった日常のリズムづくりにもつなげやすい商材です。「帰宅後3分で整う花」「寝る前の照明+花のルーティン」「飲まない日の罪悪感ゼロのご褒美」といった“習慣提案”として打ち出すことで、イベント需要以外の平常時の購買動機を作りやすくなります。
今週は香りの強いヒヤシンス、スイートピー、パンジー、チューリップなど、ウェルネス提案と相性の良い商材も揃っています。用途別(睡眠前・仕事の切り替え・玄関のリセット等)に小さな束や一輪提案をセット化し、価格も980円/1,980円/2,980円のように選びやすいレンジで用意することで、日常需要の掘り起こしにつなげていきたいですね。
おすすめ商材
サイネリア:春の立ち上がりにぴったりな発色の良さが魅力。店頭の「季節の切り替え」を一目で伝えられるアイテムです。 入口やレジ前の“春の差し色”に。1本挿しでも色が立つので小売提案向き。
フランネルフラワー(クリーム/フェアリーカスタード):やわらかな質感とニュアンスカラーで、今っぽい空気感を作れる商材。淡色ブームの流れにも合います。※3月下旬〜(岐阜) ウェディングの「ナチュラル」「くすみ系」需要に相性◎。束ねず“抜け感”で使うと映えます。
マトリカリア(染め・アプリコット八重):染めならではの色幅で、春の定番花に“新しさ”を足せます。八重の可憐さで単価も組みやすい商材。 チューリップやラナンキュラスの脇役として、全体をやさしくまとめる“つなぎ役”に。
スカビオサ大輪(寺尾さん/ラオゥシリーズ):花が大きめで見栄えがよく、季節の草花として提案の核になりやすいシリーズ。ラベンダー、はるる等、色の選択肢も魅力です(@120)。「主役級の草花」として束提案に。淡色〜紫系はブライダルにも寄せやすく、用途の幅が広いです。
アネモネ八重MIX(リリカ/20〜25cm):短め丈ですが、八重の立体感で少量でも華やかさが出ます。ミックスは売場での彩りが作りやすいのも強み。小さな器・グラス向け提案に最適。“玄関に一輪”“デスクに一輪”など日常需要の入口に。
アルストロメリア(愛知):日持ちが良く、コスパの良さが光る定番品目。相場が読みづらい局面でも提案を組み立てやすい安定商材です。「長持ちする春の花束」訴求に。小売では“買いやすい価格帯の主軸”として活躍します。
こでまり(静岡とぴあ):枝のラインで季節感を演出でき、春らしい軽さを一気に出せる枝物。アレンジに動きを付けたい時に重宝します。卒業・送別の花束に入れると“春の記憶”が残る仕上がりに。枝もの提案の入口としてもおすすめです。
スイートピー(愛知みなみ/ピンク系豊富):春の香り商材の代表格。ピンク系の層が厚い時期は、売場での“選べる楽しさ”を作りやすく、回転も狙えます。「香りで整える」提案に直結。寝る前に小さく飾る、玄関に一輪など“ルーティン提案”で日常需要を掘り起こせます。

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