市況レポート Vol.347
2026.03.20
3月中旬の相場は、ブライダル需要と卒業式需要が重なり、全体として非常に引き合いの強い一週間となりました。特に日曜大安を含む3連休ではブライダル需要が集中し、加えて卒業式関連の需要も重なったことで、相場は高値圏で推移しました。
中でもバラの動きは非常に活発でした。3月2日から13日までケニア産の入荷が完全に止まっていた影響で、供給不足感が強まり、相場を押し上げました。16日以降はケニア産の入荷が再開し、国産バラも出荷量が倍近くまで増加、ケニア産も通常の倍量ほど入荷しましたが、需要がしっかりしていたため、相場は大きく崩れず横ばいで推移しています。赤バラの3月1日~20日までの平均単価は、昨年の130円に対し今年は160円と大きく上昇しており、今年の逼迫ぶりがうかがえます。なお、中国産・コロンビア産のバラはおおむね通常通りの入荷でした。
カーネーションも引き続き高値傾向です。コロンビア産カーネーションの入荷減少と高値推移が相場全体を牽引し、国産は120円前後、中国産の赤カーネーションは50~60円前後で高値推移しました。オンシジュームはやや少なめの入荷となっています。
また、卒業式用途ではガーベラの引き合いが非常に強く、相場は75円前後と前年比44%アップの高値となりました。背景には、チューリップの入荷減少があります。オランダでの球根代上昇の影響もあり、今季はチューリップ全体の出荷量が例年より少なく、埼玉県でも出荷が60~70%程度にとどまりました。そのしわ寄せがガーベラに向かった形です。産地の世代交代により、チューリップから草花系へシフトする流れも見られています。ラナンキュラスも前進傾向で推移しており、今週はやや数量が少なめだったことも相場を牽引しました。
お彼岸需要も堅調で、SPマムの動きが良く、白菊は中国産中心に潤沢な入荷となりました。一方で国産の菊類は減少傾向にあります。今年は昨年のように16日以降に相場が崩れることはなく、20日には平均単価93円と高値を更新しました。最高値を更新し続けた一昨年の同時期平均82円と比べても、今年の相場の高さが際立っています。18日のセリでは菊類が特に高騰し、お彼岸期間の天候予報が良好だったこともあり、買い控えていた分の需要が一気に表れた印象です。全体として、ブライダル、卒業式、お彼岸とイベント需要が重なったことが高相場の背景にあります。
こうした中、季節商材としてあらためて注目したいのが桜です。3月27日は「さくらの日」とされ、日本さくらの会が1992年に制定した記念日です。由来は「3×9(さく)=27」の語呂合わせと、七十二候の「桜始開」の時期にあたることによるもので、この時期の販促テーマとしても取り入れやすいタイミングです。
また、直近では高市総理がトランプ氏との会談に際し、日本から250本の桜を贈呈したことが報じられました。その一方で、「本当は桜の花束をプレゼントしたかったが、米国は検疫が厳しく生花の持ち込みが難しかった」と語ったエピソードも紹介されており、桜が日本らしさを象徴する花としてあらためて注目を集めています。花束としては叶わなかったからこそ、国内ではこの季節ならではの“贈る桜”の価値を、より強く提案できる場面ともいえそうです。
今年の桜は全国的に前進開花傾向で、日本気象協会による最新予想では、2026年は平年より早いペースで開花が進んでいます。東京では3月19日に開花が発表され、平年より5日早い開花となりました。こうした自然開花の前倒しは、切り花の桜に対する関心の高まりにもつながりやすく、例年以上に“春を先取りする花材”として提案しやすい年といえます。
桜の切り花は、送別、卒業、入社、歓迎といった3月末から4月にかけての節目需要と非常に相性が良く、ブライダルでも和の雰囲気や季節感を演出できる素材として存在感があります。枝物として空間を大きく見せられるだけでなく、花束やアレンジに数本添えるだけでも一気に春らしさが増すため、店頭提案の幅を広げやすい商材です。特に啓翁桜や彼岸桜系は使いやすく、春の草花や白系花材とも合わせやすいため、和洋問わず提案しやすいのも魅力です。
今後については、来週は全体数量がやや少なめとなる見込みで、単価は横ばいから高値維持の展開が予想されます。週明けはいったん落ち着く可能性はあるものの、3月末に向けて送別需要が見込まれるほか、土曜日の大安によるブライダル需要も控えており、引き続き相場は底堅く推移しそうです。品目別では、バラとトルコギキョウは横ばい、ユリはオリエンタル・LAともにやや減少、かすみ草やスターチスも減少傾向、アルストロメリアも微減の見通しで、これらは引き続き高値が続く可能性があります。さらに、重油代の上昇によって今後ハウス物の出荷が減少する懸念もあり、相場全体を下支えする要因として注視が必要です。
おすすめ商材としては、セネシア、フランネルカスタード、カンパニュラ「チャームホワイト」、スカビオサ「フリフリソラ」「フリフリハルル」、ラナンキュラス「モブセーラ」、ダリア「ジュビレーション」などが注目されています。また、白いカラーは比較的潤沢で使いやすく、糸島産タラスピやガーベラも安定した入荷が見られます。そこにこの時期ならではの桜を組み合わせることで、より季節感のある提案が可能になります。送別用の花束にはガーベラやラナンキュラスと合わせてやわらかな春色に、ブライダルには白カラーやカンパニュラのチャームホワイトと組み合わせて上品に、お彼岸明けの店頭では単品展開でも“春の到来”を伝える訴求力があります。3月27日の「さくらの日」をひとつのきっかけに、桜を主役にした売場づくりや販促提案を強めていきたいところです。

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